ABOUT

最寄り moyori

私の制作は、日常の断片と私的実感が重なる錯覚「同期」から始まります。断片とは、道端の植物や建物、人物など、普段は見過ごされているような存在です。私はこれらを記憶や痛覚を受け止めるための場として利用しています。
実体のない感覚に油彩で物理的な質量を与え、他と置き換えられないたった一つの重みとして定着させる。それは、浮遊する私自身をひとつの塊として世界に繋ぎ止め、外界との接点を構築する手続きでもあります。
その過程では、必ずなにかを取りこぼしてしまいます。それでも、思わず「ああ」と声が漏れ出た瞬間を自分の手で留めたい。できないことをしようとするもどかしさを引き受けながら制作を続けています。